お久しぶりです。

先月はJOSKAS@札幌に行ってまいりました。
安田先生の教育的講演が多く組み込まれており、初心者の私には非常に勉強になる話がとても多かった有意義な学会となりました。

今回は小児の化膿性股関節炎の話。
小児の化膿性股関節炎は骨端線を犯してしまうことから、早期診断、早期治療が望まれる疾患のひとつですが、
早期治療について多くの教科書に早期の手術、掻爬が必須であると書かれています。
自分はまだ掻爬をすぐに行おうというレベルのものに出会ったことはありませんが、
単純Xpで関節裂隙の開大を認めるわけでもないし、股関節は痛いと言っているが。。
エコーでもよく分からないし、MRIをとるには鎮静が必要そうだし、このレベルで関節穿刺を行っても何か引けてくるのかな?、いきなり小さな子に手術するのも。といういろいろな迷いが生じてしまいます。

38度以上の高熱、関節裂隙の開大、CRP2点以上、関節穿刺での白血球の上昇などがあれば本症を疑って治療を開始する。抗生剤は股関節内に到達しにくいため早期外科手術が望まれると書いている文献もあります。

ちなみに手術後の抗生剤治療としては
それぞれの年代における起因菌で多いものとして
新生児 連鎖球菌
乳児 黄色ブドウ球菌
幼児期前半 インフルエンザ菌
幼児期後半期以降 黄色ブドウ球菌
なので、それぞれの時期にターゲットを合わせた治療が必要となります。 

そういう症例に出会った際にその決断が瞬時に下せるかどうかですね。